新潟大学脳研究所 脳神経外科教室

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活動報告 -教室のご紹介-

2014.07.02 最新情報

海外留学便り(2014トロント編)

カナダのトロントに留学している平成18年入局の佐藤洋輔先生から留学便りが届きました。

 

トロント研究留学
Clinical Neurophysiology, Division of Neurology, Hospital for Sick Children
新潟大学脳研究所脳神経外科
佐藤洋輔

 

てんかん研究においても遺伝子や幹細胞などがホットなアプローチとなりつつある今、古典的な電気生理学的手法を用いた新しい切り口を見つけたい…そんな思いを胸に私は現在トロント小児病院神経生理学教室(大坪宏先生ラボ)に留学しております。ここではトロント小児病院てんかん部門スタッフやトロント大学のPhD・研究学生達と協力しながら、近年デジタル化が進んだことで可能となった脳波のコンピュータ解析に取り組んでいます。素人目には(脳波に精通している場合でも)ただの混沌とした波形にしかみえない脳波にデジタル解析を加えることで、病変部や神経機能・ネットワークなどを目に「見える」ようにする可視化技術の開発に取り組んでいます。コンピュータプログラミングやデジタル画像化技術などの数理学的アプローチを取り入れることで、将来的には様々な脳機能が「見える」ようになると期待しています。
一日中コンピュータの前にいるような生活を想像されるかもしれませんがそんなことはありません。こちらでは実際に手術をしなければならないてんかん患者さんについて、臨床スタッフと研究者達を交えたカンファランスが頻回に開かれています。互いの視点から意見を交換し最善の治療を目指すシステムには学ぶべきものが沢山あります。日本では分離されがちな「臨床医学」と「基礎医学」がここでは融合する形で実現されており、これこそは今後の医療発展のために必須なことと思います。
トロントは地下鉄やバスが整備されており交通の便が非常に良いです。私はダウンタウンのコンドミニアムに住んでいますが、近くには市場や充実した地下街もありますので生活において困ることはほとんどありません。今年は何十年ぶりかの寒波が押し寄せて寒さの厳しい時期もありましたが、多くの建物内は非常に暖かく設定されており助かっています。トロントの人種はとにかく豊富で、皆思い思いの衣装で様々な言葉が飛び交っており、何カ国も旅しているかのような気分になります。
このかけがえのない研究留学の機会とご支援を賜りました新潟大学脳神経外科先生方に心より感謝申し上げます。

トロントアイランドから見たダウンタウン
トロントアイランドから見たダウンタウン
カナダ側から見たナイアガラの滝(アメリカ滝)
カナダ側から見たナイアガラの滝(アメリカ滝)