新潟大学脳研究所 脳神経外科教室

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活動報告 -教室のご紹介-

2011.04.18 最新情報

H22年度 大学院卒業生のご報告

H22年度は当教室から3人の大学院生が無事に博士号取得し卒業することができましたので、ここにご報告いたします。西川太郎先生、平石哲也先生、棗田学先生の3名で、非常に忙しい日常業務との並行作業の末の達成でした。この度の経験は今後の臨床研究や論文執筆に生かされることと思います。それでは以下にご紹介いたします。
(*当教室では、学位論文に関しては基本的に英文論文の完成が条件とされております。)

 

西川太郎 先生
テーマ:3DAC-PROPELLER法による脳幹部神経路および神経核の描出についての検討
脳幹部の神経路・神経核を正確に同定するために確立された画像診断法はない。本研究では、神経路を描出できる3DAC-PROPELLER(three-dimensional anisotropy contrast-periodically rotated overlapping parallel lines with enhanced reconstruction)法を用い、健常人40名を対象として、臨床上重要な脳幹部神経路(皮質脊髄路、内側毛帯、内側縦束、中心被蓋路、脊髄視床路)・神経核(動眼神経核/滑車神経核、三叉神経脊髄路核、外転神経核、顔面神経核、前庭神経核、舌下神経核/舌下神経前位核、弧束核、青斑核、上オリーブ核、下オリーブ核)の同定率を検討した。5神経路は全例、10神経核の内、一部同定困難な青斑核(1.3%)、上オリーブ核(6.9%)を除き全例で同定可能であった。3DAC-PROPELLER法は、脳幹部の神経路・神経核の描出において有用な画像法であることが検証された。

 

平石哲也 先生
テーマ:フラビン蛋白蛍光イメージングによるヒトてんかん性脳組織の皮質活動伝播の可視化と意義の検討
ヒトてんかん性組織において、フラビン蛋白蛍光イメージングを用いて神経活動の伝播所見を可視化し、さらに同組織における抑制性神経細胞の指標としてのカルシウム結合蛋白発現との整合性を検討した。結果、てんかん性皮質に特徴的な水平性伝播所見を明らかにし、伝播域の広さと同部のカルシウム結合蛋白陽性細胞の発現率の低下に整合性を認め、ヒトてんかん脳組織における活動の易伝播性と抑制機構欠落の関連性を証明した。てんかん性皮質の持つ性質を明らかにしたことは、今後のてんかん原性獲得の解明に向けて重要な意味を有する。

 

棗田 学 先生
テーマ:テモゾロミド療法により誘導される悪性神経膠腫症例のオートファジー
Natsumeda M, Aoki H, Miyahara H, Yajima N, Uzuka T, Toyoshima Y, Kakita A, Takahashi H, and Fujii Y. Induction of autophagy in temozolomide treated malignant gliomas. Neuropathology, 2011.(epub ahead of print)

 

オートファジーは細胞内小器官や蛋白質の、リソソームによる代謝機構である。癌の治療においては、薬剤耐性との関連が注目されている。免疫染色法及びWestern blot法を用い、グリオーマ摘出標本におけるオートファジーをモニタリングし、テモゾロミド療法後の摘出標本で有意にオートファジーが誘導されることを証明した。
グリオーマ摘出標本におけるオートファジーモニタリングの手法を確立し、テモゾロミド療法後のオートファジーの誘導を初めて報告した点が本研究の最大の特長である。