新潟大学脳研究所 脳神経外科教室

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活動報告 -教室のご紹介-

2012.05.10 最新情報

H23年度大学院生卒業のご報告(その2)

五十川瑞穂 先生
テーマ:転移性脳腫瘍に対するガンマナイフによる2分割定位照射法に関する研究
通常の定位手術的照射では制御困難な、体積10㎝3を超える転移性脳腫瘍に対するガンマナイフによる新たな2分割定位照射法について検討した。転移性脳腫瘍44例、48病変を対象とした。治療時のKarnofsky Performance Status(KPS)の中央値は50%であった。腫瘍体積は10-59.1cm3(平均23.3cm3)であった。1回照射線量は50% isodose 9-14Gy(中央値13Gy)で2日間の定位放射線照射を行った。全例全身状態および神経症状の悪化なく治療が行えた。本治療からの生存期間中央値は7.9ヶ月であった。治療後最良KPS中央値は70%と改善した。2例は治療後縮小が見られず、進行性の増大を認めたが、その他の症例では全例で縮小効果を認めた。局所の追加治療が必要になったのは15例あった。1年での神経死予防率は71.8%であった。病変周囲の正常脳組織における照射線量と体積を調べ、通常の定位手術的照射と比較して本法では正常脳に対する負担を減らせていることが確かめられた。本研究では、ガンマナイフによる2分割定位照射法の有効性、安全性を確認し、大きな転移性脳腫瘍に対する治療法としての妥当性、認容性が高いことも証明できた。

 

中村公彦 先生
テーマ:高磁場装置を用いた磁気共鳴スペクトロスコピー・イメージングによる神経膠腫(gradeⅡおよびⅢ)の鑑別診断
本研究では神経膠腫gradeIIおよびIIIの鑑別が、プロトン磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)のうち、マッピングを可能とするMRS・イメージング(MRSI)を用いることにより可能となるかを検証し、従来の測定法であるシングルボクセルMRS(SVMRS)と比較検討することを目的とした。対象は、神経膠腫gradeIIおよびIIIの診断となった初発例26例で、術前に3テスラ装置を用いたSVMRSおよびMRSIを施行した。SVMRSは関心領域を可能な限り腫瘍に限局するように設けた。MRSIでは各代謝物のマップを作成、ボクセル毎の数値解析を行った。二つの測定法より得られた値を2つのgrade間で比較した。結果:SVMRSでは①細胞膜の主たる構成物質であるコリン化合物(Cho)の定量値、および②コリン化合物/クレアチン比(Cho/Cr)の2因子にて有意差を認めた。一方MRSIでは①腫瘍内のCho/Crの最大値(max-Cho/Cr)、②N-アセチルアスパラギン酸/クレアチン比の最小値(min-NAA/Cr)、③腫瘍領域内において最もChoピークの高い部位を対照側のChoピークと比をとった値(rCho)の3因子にて有意差を認めた。多変量ロジスティック回帰分析を行ったところmax-Cho/Crが有意な独立因子と認められ、感度70%、特異度93.7%であった。以上の結果より、神経膠腫gradeIIおよびIIIの鑑別にMRSが有用であり、SVMRSに対しMRSIの優位性が示された。