新潟大学脳研究所 脳神経外科教室

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活動報告 -教室のご紹介-

2012.05.10 最新情報

H23年度大学院生卒業のご報告(その3)

佐藤洋輔 先生
テーマ:近赤外分光法と和田テストを用いた術前神経膠腫患者における 運動・感覚言語機能評価
神経膠腫術前患者において運動・感覚言語機能局在につき、近赤外分光法(near-infrared spectroscopy: NIRS)を用いて評価し、また和田テストの結果との相関を求めた。術前神経膠腫の患者10例を対象とした。言語タスクはverb generation task(VGT)とstory listening test(SLT)を用い、左右の言語野(VGTではBroca野、SLTではWernicke野)における総ヘモグロビン濃度変化曲線下面積からLateral index(LI)を算出した。またNIRS検査後に和田テストを施行し、LIを算出してPearsonの相関係数を求めた。結果左右分離性の機能局在の1例を除き、9例は、VGT,SLTともに左側優位の血流増加を認め、和田テストと完全に一致した。VGTおよびSLTと和田テストのLIには非常に強い相関を認めた。本手法は和田テストやfMRIの代替になり得る、臨床的に極めて有効な言語機能評価法であると思われた。

 

神保康志 先生
テーマ:Dynamic MRIを用いた虚血性脳浮腫生成時における水動態の局所解析
虚血性脳浮腫において、浮腫を惹起する水の組織への主たる流入部位が虚血中心部なのか辺縁部なのかという点については現時点でも結論を見ていない。そこで中大脳動脈閉塞モデルラットにおいて、プロトンの安定同位体である重水素(Deuterium:D)に置換した重水(D2O)を経静脈的に投与し、Dynamic MRIを用いた脳組織内へのD2O流入を経時的に観測したデータにより、血管内から組織への単位時間あたりの水の移動量の正常対側比(Ktrans%)を部位別に算出した。その結果、Ktrans%は虚血中心部では低下していたが、虚血辺縁部では対側非虚血半球より高く、虚血組織への主たる水の流入部位は虚血中心部ではなく辺縁部からの流入量が大きい事が示された。その含有量に応じてMR信号強度が低下しnegative contrastを呈するという重水素の特性を利用し、浮腫水が虚血辺縁部から脳組織内に移動することを示した。この部位はpenumbraと呼ばれる領域と考えられ、今後この部位を標的とした薬剤の開発により虚血性脳浮腫を予防できる可能性があると考える。