第18回新潟微小解剖セミナー開催報告
2026年8月8日(土)、9日(日)の日程で本年も新潟微小解剖セミナーを開催しました。本年は『静脈解剖の理解』をテーマとして、様々なアプローチに基づいた静脈系の学習を行いました。専門医試験と同じ日程となりましたが、受験生以下の専攻医の先生方を中心に関連病院より31名と多くの先生方に参加いただきました。
初日はまず、occipital transtentorial approachを通じて深部静脈解剖の学習を行いました。Galen大静脈やinternal cerebral vein周囲を観察するとともに、velum interpositumから第三脳室に至る構造を後方から確認しました。スタートからやや難しい内容となりましたが、事前講義にて学習することで各班指導の先生方の誘導の元に目標とする術野の展開が達成できていました。

続いて午後は、脳室内アプローチを通じて前方から脳室内構造および深部静脈解剖を学習しました。transcortical approach、transcallosal approachによる側脳室への進入経路から、Monro孔およびchoroid plexusを指標とした第三脳室へのアプローチ、さらに脳弓の走行などを観察し、普段の手術では断片的に確認することの多い解剖学的構造について、その全体像と相互の位置関係を理解することができました。

2日目はSMCVやpetrosal veinなどの静脈解剖に着目しながら、anterior transpetrosal approachの手技を学習しました。ご献体では当然ながら術前の画像検査による血管系の情報がないため、骨削除やテント切開など各手術操作の段階に応じて周囲の静脈構造を確認しながら進めていく必要があります。静脈解剖を意識しながら一連の手術手技を行うことで、例年とは異なる視点から本アプローチを学習することができたと考えています。

脳神経外科手術に必要となる解剖学的知識は極めて広く、継続して学び続けることが重要です。その上でこのような解剖セミナーは極めて重要な役割を担っており、来年以降も新たなコンセプトを取り入れながら学習を継続し、脳神経外科医にとって不可欠な微小解剖への理解をさらに深められるよう努めてまいります。最後になりましたが、本セミナーの開催にあたり、例年多大なるご協力をいただいております解剖学教室および新潟白菊会の皆様に、この場をお借りして深く御礼申し上げます。
